嵐再び



 えー、以前友人HJの後輩な困ったちゃんの話をしましたが……二人目が現れました。
 「うちをヌル研究室と言いふらしただろ!」とお叱りをいただいた矢先の二人目ですので、もはや言い逃れできなること必定です。
 ですが、二人目は一人目の失敗を教訓に、まずは自分の担任の了承を得て、それから私の所に相談にきました。
 まあ、その前に一人目と同じ失敗をやらかして、いきなり先生の所に突撃したんですが…運良く先生は不在でした。
 私の所に相談に来たのも、たぶん友人H辺りに「今の内に詫びとけ」とか言われたんでしょうが…ともかく、私の所に来たのはいいことです。先生が不在だったのも、成功するための追い風だと思うがいいでしょう。
 そんなわけで、まずは話を聞いてみることに。
「あー、うちの研究室の院生になりたいって?」
「そうなんっすよー」
「俺は口出しできる立場じゃないからいいんだけど…一応、筋通さないと失敗するからさ」
「どうすりゃいいんっすかね?」
「えっと…キミも推薦だっけ?」
いえ
 おい、それは院試受かればいいだけやん。
 これで私に何をしろと言うのか……あーでも、一応研究室変わったりするんだから、印象はよくしたいよな。
 とりあえず先立って先生に話を通してやろうと思い、「一日待て」と言って帰らせました。
 そんなわけで、やっぱり無策で無鉄砲っぽいので、一人目と同じ印象を抱かせないために、先生と面談するにあたっての作戦を、バイト中にさらっと考えてみました。
 




 まず、利点と欠点の整理。
 理系畑の人間はこれが得意のはずなのに、なぜか私の周りはこれを整理しようとしません。行動の前にある程度は考えておきましょう。いきなり先生の所に行って、アドリブで印象良くできるほどの話術を持ってるなら、話は別ですが。
 はい、それではその二人目ショウちゃんの利点と欠点を並べてみましょう。

●利点
・推薦でなく、普通に研究室配属された。
・顔が温和で真面目そうに見える。
・悪評が立ってない。
・私の研究室の4年生と友達。
・先に先生の許可をもらってある。

 まずはこれらを最大限利用しなければいけません。


●欠点
・今まで何をやってたの?
・どうして自分の研究室じゃダメなの?
・どうしてウチの研究室なの?

 まず、これを聞かれた時に、明確な答えを述べないといけません。

・一人目という前例があり、しかもそれが同じ研究室の子。
・後輩を指導しなければならない院生が、来年後輩と一緒に勉強しなければならない。
・うちの先生が今年と来年忙しい。

 これはまー、どうとでもなるんですが。
 それでは、利点と欠点を並べた所で、ある程度のシナリオを考えましょう。ポイントは「長所を押し出して、短所を潰す」。嘘を混ぜて、短所を長所と絡めることができれば、短所がプラスにすらなります。これは私の得意とするところで、ペテン師と呼ばれる所以です。



 さて彼の場合、後期の院試が受かれば否応なく行けるんですから、別に肩肘張らなくてもいい所がポイントです。
 それにも関わらず「一度先生の話を聞きたい」と言ってるのはプラスです。この際、これを前面に押し出して真面目な子をアピールさせましょう。
 私の研究室の4年生Kくんは、真面目で研究室内の評判がいい子です。私からのアプローチではなく、彼からの紹介である事を主張すれば、更に話しやすくなるでしょう。
 そして、先生の許可はもらってある――うちの先生は真面目な子が好きです。これもしっかりアピールしましょう。
 次に欠点の整理ですが、まず一人目という前例がある。これは反転させて言い訳に使いましょう。

 うちの研究室で一人、先生の所に転コースしようとした子がいたんですが…彼のその話を聞いて、そういう道もあるんだと気づきました。幸い進路も決まってませんので、これを機会にまずは話を伺おうと思いまして。

 くらいでいいと思います。
 来年一から勉強し直し、って所は「真面目に勉強させていただきます」的な事を述べればOK。
 次に今まで何をやってたの? って話ですが……「就活やってなかった」と言えば不真面目な印象を与えます。うちの研究室のメチャクチャだらしないM1二人も、就活はちゃんとやってましたからね。
 かと言って「落ちまくりました」というのも、能力を低く見られるかもしれません。
 私ならこんな時実家の家業を継ぐつもりでいましたが、つい最近田舎に帰ってきた兄が継いでくれる事になり、今あらためて自分の進路を考え出すようになりました。今から就活するよりは就職浪人に、とも思いましたが、それよりは後期の院試に賭けたいと思いまして。くらい言います。でもまぁ、嘘つきたくないなら、就活落ちまくりましたコースで。
 で、なんでうちの研究室? って話は「学科担任の先生と相談して、今定員割れしてる研究室の内、興味のある研究室を幾つか回っていくつもりです」くらいでOK。
 なんで自分の研究室に行かないの? って話は自分で考えてほしい所ですが「うちの研究室はもう人が入れない」とか「自分の研究室の他も見たいだけで、まだ他の研究室を選ぶかは決まっていない」とかでいいでしょう。
 そしてこれを、私の研究室の4年生Kくんにある程度話しておいて、口裏を合わせるように。
 では、整理。




 進路が決まらず悩んでいましたが、うちの研究室で一人、先生の所に転コースしようとした子がいるっていう話を聞いて、そういう道もあるんだと気づきました。
 それで後期の院試を受けたいと思ったんですが、うちの研究室は定員に空きがないので、他の研究室を探さなくてはいけなくて、今定員割れしている先生の所に一人ずつ、お話を伺っているところです。お忙しいとは思いますが、先生の研究内容を聞かせていただきたく、まいりました(もちろん、ある程度の下調べはKくん等を利用して行う事)
 この研究室には友人であるKくんがいて、先生のお話はよくうかがっております。M2の先輩の友達であるZさん(私ね)の話も聞いてますが、Kくんの話では真面目で明るい研究室と聞きました。
 来年お世話になるとすれば、他の院生に比べてハンデが生じるとは思いますが、真面目に勉強して必ず成果をあげてみせます。よろしくお願いします。


 って感じでしょうか。
 うちの研究室はヌル研究室なので、来年のハンデとかは一ヶ月もあれば把握します。だって我々、未だハンダ付けしかしてないし。プログラミングとか実験装置の回路設計とか、全部M2の人と先生がやってるし。むしろ、M2の先輩もよくわかってないし。
 これで二人目の彼が、昨日私が言った「明日まで待て」という言葉をしっかりと聞いて、いきなり突貫せずにこの文章を読めば、少しは計画性が出るでしょう。これを真似しろとは言いませんが、参考にしてしっかりと対策を考えるように。
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by udongein | 2005-12-03 13:42 | 日常


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