咳が中々止まってくれないのだ。
起きてすぐ辺りと外出後くらいが一番ピークで、咳が肋骨か何かに響いて酷く痛む。どうにもこれが辛い。
咳というのは非常に体力を使うものなので、おとなしくしておきたいのだが、日々バイト日常バイトといった風情でどうにも休む暇がない。一人暮しの代償であろう。
それが左手中指だ。
以前、居酒屋でバイトしていた時、業務用の洗剤に被れ皮膚がボロボロになった事があった。これは職業病であり、店の人間の大半が大なり小なり同じ状態になっている。
そこを辞してから手は回復し、綺麗になっていったのだが……なぜか中指だけがそのまま。
第2関節辺りに発生しているこれ、まず水泡のようなものができる。これが非常に醜く汚らしく、つい潰してしまったりするのだが、潰すと今度はそこから漏れた液のかかったところに広がる。
潰さねばよいではないか、というのは誰でも思うだろうが、これが物凄い痒みを生むのである。夜中痒みで目が覚め、半覚醒状態で掻き毟ってしまうと、翌日にはボロボロの手ができあがっている。
数日すると皮膚が乾燥し裂け始め、非常に痛むようになる。これもまた苦しい。手を使った作業全般が辛くなるのだ。キーボード操作ですら辛いのだから、バイトなど推して知るべしである。
調べてみたところ、これは『掌せき膿胞症』というらしい。
指にしかできないと思っていたが全身発生するらしく、恐怖に慄いている。これが全身に渡った事を想像するとそれだけで夜も眠れぬ。
しかも大層な難病らしく、医者にかかってもステロイド剤が処方されるだけで、あまり効果的な治療法がないらしい。非常に困った。
一生付き合っていくつもりで根気良く治療しましょうなどと書かれている辺り、よほどどうしようもなさそうだ。とりあえずハンドクリームを塗って野菜を食おうと思う。
しかし、私は幾つの皮膚病を持てば気が済むのだろうか(核爆)