彼女と別れました。


 えー、実は私、大学に入ると同時くらいに、付き合い始めた彼女がいたんですが…とうとう、別れてしまいました。
 原因は…恥ずかしい話ですが、性癖の齟齬です。
 私は元々、かなりのサディストです。人が苦痛を感じる時の顔が好き、という変態以外の何者でもない癖がありましたが、彼女は私によく尽くし、私のそういう性癖を優しく受け止めてくれました。
 私はそういう彼女の性格を「マゾ」と呼び、執拗になぶってきたのですが…今思えば、無理をして私に合わせてくれていたのでしょう。何度も彼女が送ってきた限界のサインを、私は単純に苦痛に歪む顔として捕らえ、愉悦に浸ってきたのです。今思えば、愚かでした。
 具体的な行為は、ここでは書けません。「筆舌にしがたい」とはまさにこの事で、思い返すたびに後悔が襲ってきます。
 「女は生涯殴らない」と決めていた私ですが、体に傷を残すような行為はそれと同等だ、と気付けなかったのです。
 彼女の服の下は痣だらけでした。あと、安全ピンは――何でもありません。
 別れの言葉は次のようなものでした。
「何でも耐えるつもりだったけど…あなたが私の首に手をかけるたび、いつか取り返しのつかないことになると思うようになったの…」
 とても遠まわしな言い方でしたが、私には彼女の気持ちが分かりました。彼女も、私に一語一句正確に伝わるように、精一杯の気持ちを込めていました。悲しいことに、こういう時だけは正確に、彼女の気持ちを察することができます。やり方を間違わなければ、このまま彼女と上手くやっていけたかもしれません。
 電話口から伝えられた別れでしたが、それは仕方がないことだと思います。命の危険に怯えていた彼女が、よくぞここまで勇気を出す事ができた、と関心すらしています。
 女性というのは、苦痛を与えられると愚鈍になります。そういう状況では耐える事の方が楽で、現状を打破しようと思う人は少数です。
 それでも彼女なりの誠意を見せてくれた事に、私は感動を覚えました。
 だから、彼女の家を燃やすのは、止めにしようと思います。買っておいた刺身包丁も、ちゃんとお料理に使いたいと思います。シュレッダーもこれから、何かの役に立つかもしれません。
 最後にもう一度会いたい。
 そうは思うのですが、お互いのことを考えるとこのまま会わない方が得策です。思えば、彼女はこういう私の性格を熟知していたのでしょう。やっぱり、彼女ほど私を理解してくれた人はいません。
 私は人間として最低限の理性を働かせ、誰にも迷惑をかけることなく、この呪わしい感情を消化することに決めました。
 申し訳ありませんが、ここは今日だけ、チラシの裏です。今日だけは世界を呪い、人を呪い、己を呪うこの無様な文章を、ここに垂れ流す事をお許しください。







 エイプリルフールネタとしては、物凄く弱いですよね
 ごめんよ…忘れてたんだ○| ̄|_
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by udongein | 2005-04-01 00:53 | 日常


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