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よく考えたら



 神話ばかり書いてたら興味のないお客さんが引くと思ってたけど、昨日みたいな中途半端な雑記よりマシかもしれん。
 つーわけで、今日も神話の話。
 今日はインド神話でも特に有名な、サラスヴァティーさんの紹介です。
 日本では勝手に福の神に組み込まれ、弁財天という名前で親しまれてます。
 本当は私の大好きな北欧神話の、女神フレイアとか語りたかったんですが、あの人はイシュタル神とネタが被る上に、弄りやすいエピソードがないので、断念。


 その前にインド神話を扱うに当たっての注釈。
 多神教にはありがちなんですが、あまりにも記述が曖昧だったり、性質が似てたりする神様が多いので、これ○○の別名じゃね? みたいに解釈されることが多いです。
 このサラスヴァティーという神様も、ヴァーチュという女神と同一視されています。
 たぶんねーこれねー、人間の都合だったんだと思うんですよー。
 ブラフマーを祭る神殿の、高司祭のおっさんがいたとしましょう。そのおっさん、政敵に負けて司祭に格下げされ、ブチ切れ。
「あーいいもんね! あいつらが崇めてるブラフマーなんて偽者だもんね! 奥さんがヴァーチュとか言ってるけど、あれも嘘だもんね! こっちはサラスヴァティーとか作っちゃうもんね!」
 とか言って、神様が増えていく。
 もちろん、一般市民はそんなこと言われても困惑するだけなんだが、何しろ落ちぶれたりとは言え、大司祭さま。あのハゲた頭もガネーシャ神に頭を撫でられた跡とかいう噂だし、信じないわけにもいきません。
「あーなんかよー、ブラフマー様の奥方はヴァーチュ神じゃなかったんだとよー」
「んあ? ブラフマーの妻つったらヴァーチュ神だべ?」
「いやなんか、大司祭さまが言ってんだぁ。サラスヴァティー様ってのが奥方らしいで」
「ああ、そういうあだ名がついたんだべな
「おお、おお、そういうことけ。オラ勘違いすっとこだったわー」
 とか、この程度の事情だったんでなかろうか

 





 とまあ、馬鹿話は置いといて、サラスヴァティーの話。
 この名前はガンジス、ジャムナー、サラスヴァティーというインドで最も神聖な河の名前から取られています。当然、神格の高い神様です。
 河ってのは不浄を洗い流すものですので、この神様も清めを司る水の神様です。言語、芸術、学問の神様でもあります。
 4本の手を持ち、2本で琵琶(正確にはヴィーナ)を弾き、1本が聖典を、もう1本が数珠を持っています。
 さて、この人は前述したようにブラフマー神の奥さんなんですが、実はブラフマー神の娘です。
 まあ、近親相姦がタブーなんて言われてるのはここ3,400年くらいの話で、昔は近親婚ってのはけっこう当たり前だったんですけどね。
 んで、ブラフマー神は自分の体の一部から彼女を作ったんですが、練成したその顔がもうものすっごい美人だったために、一時も目が離せなくなりました。
 しかしブラフマーだって彼女以外の物を見なきゃならない時もあります。しかし目が離せない。ちょうど、猫好きが膝の上に子猫が乗ったために動けずトイレを我慢する状態です。
 もうドキドキが止まらないブラフマー、仕方がないので自分の顔を4つに増やしました。
 …誰か彼を止めてやらなかったんでしょうか。
 人間、視線を合わせるってのは大小の緊張を伴うものです。ましてや相手は岩山両斬波ッ!とか叫びながら自分の頭を叩き割った豪傑。しかも年賀状に子供の写真を使ってくるが如き親馬鹿の権化。365日24時間自分を視姦する変態野郎の視線に耐えられなくなったサラスヴァティーは、手篭めにされる前に逃げることにしました。
 しかし変態は強かった。もう、その労力を天地創造とかに使ってくれれば地上は極楽(ガンダーラ)だったんじゃないかと思われるほどのエネルギーを振り絞り、額に第5の目作成。ついにサラスヴァティーを捕らえてしまいました。
 …ヤバイ、書いてて気持ち悪くなってきた(死

 そんなわけで、逃亡生活に疲れた彼女はついにブラフマーの妻になり、最初の人類マヌを生んだのでした。




 うーん、書けば書くほど変態だなぁブラフマー。
by udongein | 2006-07-17 13:55 | 雑学


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