盲目の方を手引きする時、手や手首を掴むのは厳禁です。
引っ張られるのは怖いですからね。
ですので、手引きをする時は、逆にこちらの手を掴んでもらいます。
掴んでもらうのは肘の少し上。相手の方と身長差がある場合は、肩に掴まってもらいます。これだと掴みやすいですし、ペースも取りやすいのでお勧めです。
ただ、割と強い力で掴まれるので、びっくり。
それと、やはり相手から注文が入ります。ペースはどれくらいがいいか、姿勢はどんなのがいいか、声をかけるタイミングや、時には曲がる場所まで教えてもらいます。
これは「声をかけた者の責任」です。
例えばお婆さんの荷物を持ってあげる時、目的地まで荷物を守るのは当然です。それと同じように人一人を預かると言った以上、その人にある程度の便宜を図らなければいけません。
声をかけた人は親切にしているだけであって、親切にしてやってるわけではないのです。
そんなわけで緊張しつつも、歩いている間に「目の見えない方ならでは」の話を聞くことができました。
掃除は自分でやっていること。今歩いてる道は、大きい通りの割に花の匂いがして好きだということ。ケーキやアイスクリームは形がわからないから、気持ち悪いこと。カレーうどんが好きなこと。
色気より食い気の方が多いですね、と言ったら笑ってました。
駅に着いたら礼を言われてすぐ別れましたが、意外なほど疲労してるのに驚いた覚えがあります。
実際初めてだったので、仕方がないですが。
ちなみに群馬に来てから、耳の聞こえない方や車椅子の方と接する機会があって、なかなか面白いです。
耳の聞こえない方にしてしまった失敗談は、また後日にでも。