昨日の日記は足らないところが多かったらしく、チャットで議論になりました。
もっとも、
そうなるように言葉を省いたわけですが。
別に私は芸術が嫌いなわけではありません。
異なる文化の方が着物を見て「これは芸術だ」と言うのは、誉れとするところです。
しかし、
文化を持つはずの我々が芸術だという。日本という国のほとんどの人が「当たり前」で通している文化を、特別だという意識で選び特別に着るのは、我々のナショナリズムの放棄に繋がるではないか、と思うわけで。
もっと簡単に言ってしまえば、着物の着付けです。
着物の着付けは難しいです。10代の女性はおろか、その母親である40代、50代の女性すらもわからないことが多いようですが……これをお婆さんや母親の姉妹が知っていれば、やり方を教えてもらえます。
人から人へ。古い世代の者が、次の世代の者に伝えていくもの。その何百年、何千年の積み重ね。それが『文化』です。
これが廃れ、ほとんどの人間が手に触れることもなくなり、全国で数名のみがひっそりとその技を保存していくと……文化と呼ばれていたものが、一部の者が受け継ぐ『芸術』に変化します。
だから私は芸術だと言ったことを「侮辱」と称したのです。
そういう内容が昨日の日記には込められていたわけですが……あくまでも言葉ひとつをこねくり回して遊ぶほど暇だっただけですので、冗談半分に読んでもらいたいところです。
ただ、やはりそういう「特別になっていく」ことが口惜しいという思いもあるわけでして。
かつて日本にあった琴を代表とする邦楽は、もう「癒し系」などと言われ、貶められています。
私にはそれが残念でなりません。