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今日は普通の日記。


 いい加減出さねばならぬ、奨学金の書類を出しに行く。
 ついでに、と最近処分を検討していたエロゲェの束をかばんに入れる。
 そして、友人に電話。
 友人Hはその筋の趣味でもっとも私と会話の合う男。鬱だった昨年の状況と奴の卒業研究が重なり、随分と疎遠になっていた。
 が、正月に年賀メールを送ってくるなど、未だ縁が繋がっているのも事実。顔を合わせるついでに、処分するつもりのこのエロゲェの束をくれてやれば、一石二鳥というものだ。
 書類を出すのが先のため、学務に向かう。一週間くらいかかったような気もするが、結果オーライということでよかろう。
 ついでにまだ食事を採っていなかったため、学食で落ち合う旨を伝える。







 数分してやってきた友人H。手には何やら、本の束。
 予想以上に卒業研究に忙しいらしい。
 聞いてみると、教授のジャイアンっぷりに振り回されて、大層お疲れの様子。
 工学実験の時は非常に好感の持てた教授。あれは猫を被ってるだけだ、と忌々しげに呟くH。
 Hはこの先生に憧れて大学を決めた男。「俺の四年間ってなんだったんだろうな」などと哀愁漂う台詞も零れた。だいぶお疲れらしい。
 だが、なんだかんだ言って院まで行くのだ。まんざらでもないのかもしれない。

 ひとしきり愚痴をこぼしたあと、今度は私の現状を聞いてくる。
 が、
「ワンちゃん、実家帰るの?」
「ん~……春頃に帰るつもりだけど」
「ああ、やっぱり帰るんだ」
「そりゃあ、年に1,2度くらい顔見せないとな」
「……大変なんだね」

 なんだか微妙に会話が噛み合わない。

 念のために確認してみる。
「えっとさ……大学辞めるわけじゃねぇぞ?」
「え、嘘!?」
 いや、正直すまんかった。
 昨年始めの絶望的状況から疎遠になっていたH。最後に見た姿が毛布体に巻きつけながらオンラインゲームやってた姿である以上、そちらを連想するのが当然というもの。
 まったく……どこに行ってもダメ人間扱いされる。
 否定はせんが。

 そんなこんなで1時間ほど雑談し、5冊も6冊も専門書を抱えながら研究室に戻るH。
 別れる前にぽつりと一言を漏らしていく。
「そうやって頑張ってる人間を見ると、目を逸らしたくなっちゃうよ……」

 いや、逆だから。

 おまえの手にある本6冊分の重みが、私の現状にあるとは思えんぞ。
 卒研が終わったら、飯でもおごってやろうと思った。
by udongein | 2004-01-19 16:35 | 日常


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