私が中学の頃、何をとち狂ったか人生ゲームが流行った時があった。
無論、ただプレイしただけではすぐマンネリ化してしまう。そこにはブームとなるべき確定要素が存在していた。
それが追加ルールである。
『性転換』『人身売買』『同性愛』『売春』の4項目からなる特別ルールに、ノリと妄想だけなら天下一の中学生が没頭したのも無理からぬことだ。
○性転換
離婚イベントと考えていい。
性転換した瞬間、相手は問答無用で実家に帰る。子供の親権は剥奪される。
イベント後、結婚も子供も生まれない。
まだこれが作られた時は、ゲームらしかった。
○同性愛
男は男、女は女と結婚する。
男同士では、給料二倍。子供イベントでは養子を持てるが、ランダムで家出イベントが発生する。
女同士では、子供が通常の2倍で増えていく。別名種付け徘徊と呼ばれていた。
○人身売買
子供が1人辺り幾らで売られる。
あくまで売られるであり根こそぎであるため、離婚イベントが発生する。
ちなみに、子供のいない状態でイベントを迎えると、伴侶が消える。
○売春
7を出すと発生。銀行からお金が貰える。何故か男もできる。
さらに、女でやると妊娠判定が発生。結婚前から2児の母になる豪傑もいた。
「げ、奥さんが逃げた」
「うわ、来たよホモ野郎が。俺の後ろには立つな」
「私の坊やを連れてかないでぇえええ!!!」
「これでお客さんが3人目……美男子は辛いね」
阿 鼻 叫 喚 。
そして最後のストップゾーンで、開拓民になった者に捧げられる開拓民の歌『悲しき庶民』
ゲームが終わった瞬間、開拓民を取り囲んで皆で熱唱する。
しまいには上下パートまで作った。
一時のブームであったが、その後全てのゲームに追加ルールを施す癖がついた功績は大きかった。
思い出深いゲームである。