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自殺する夢を見ました。


 登場人物は私とある女性、場面は故郷。
 彼女は私を、ある手順に基づいて礼を尽くした葬り方をする事で私の魂を昇華させ、その魂を糧にして亡骸に神を降ろし、支配しようとしたのである。
 私は彼女の目的を知っていたため逃走したのだが追いつかれ、悪しき方の犠牲になるくらいなら、と川に飛びこんだのである。
 川遊びをやった人なら知っていると思うが、息を吸いこんでから潜ると、人は思いのほか簡単に浮きあがってしまう。だから私は飛びこみながら息を吐き続け、その身体は深く深く故郷の清水に沈んでいき……
 ふと気がついてみると、自分は川底にいた。水底の冷たい石の感覚、自分の身体がぶつかって「ゴトッ」っと音を立てる。身体が弛緩して動かないところを見ると、もう数瞬の後に死ねる事がわかる。苦しまずに死ねてよかった、と思った。

 …と、次に気がつけば自分の身体が浮いている事がわかった。
 自分を担ぎあげ、泳いでいる人物がいるのだ。
 それは、自分を殺そうとした女性だった。
 私は思い出す。幼少の頃、ままごとをして遊んだ記憶。幼いながらも真剣だったプロポーズ。
 時が経ち、自分と彼女は敵同士になってしまったけれど、それでも私は彼女を愛していたし、彼女が自分を愛してくれているのも知っていた。
 だから彼女はきっとこうする、とどこかでわかっていた。
 彼女は重い私の身体を支えながら少しずつ昇っていき、しかしその腕の動きが衰え、ついに沈み始め……
 そして、私は彼女をそっと抱き締めた。
 頭を抱え、腰に手を回し。戦乱の中で別たれた自分達の運命すらも、今ここで二人共に死ねるなら、と幸せさえ感じながら身体の力を抜いた。



 そこで目が覚めた。
 身体は指1本動かせないほど重く、身体の力が全て抜け切った自分はこうも重いのか、と関心したほどだった。もしかしたら、夢と共に呼吸も止まっていたのかもしれない。
 珍奇な夢であったので、ここに記録しておこうと思う。
 中々ロマンチックな夢ではなかろうか。
by udongein | 2003-10-10 22:26 | 日常


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